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新たな作戦

「終わりましたよー!」
 意気揚々と戻ってくるフェスエが見たのは、ガックリとうなだれたリテミスと、それをどうなだめたらいいのかわからず、オロオロする冒険家の姿だった。
「……どうしたんですか?」
 リテミスがひらひらと手を振った。
「いや、なんでもねえんだ。ただ、あれが罠なんじゃねーか、って一瞬思っちまった自分がバカだなーって思ってな」
「はあ……?」
 つまりどういうことなんだろう、とフェスエが考えるよりも先に、リテミスがしゃきっと起き上がった。
「よし! 爆弾は解体できたんだな?」
「え、ええ。完全に沈黙しました」
 確かに〈太陽破壊爆弾〉の表面の灯りは消え、床を通して伝わってくる振動も、駆動音も全く無くなっていた。
 とりあえず、「世界の終わり」は回避できたわけだ。
 しかし、やっぱり何か残っているような気がする。
「そういえば、あの黒服はどこに行ったんだろうのう?」
「あっ、ホントだ!」
 リテミスは辺りをキョロキョロ見回すも、そこら辺に居るわけもない。
「あいつを捕まえないと、またこんなことをやらかすぜ!」
「そうですね、でもどうやって見つけたら……」
 フェスエのメガネを、リテミスはちょんちょんと指差した。
「大活躍だな、メガネ」
 
 
 フェスエのスキャンは終了した。
 現在、太陽周辺に複数の巨大なエネルギー反応がある。
「侵略艦隊」のデータと似ていることから、おそらく戦艦であろうと思われる。
 つまり、太陽表面から複数の戦艦が飛び立ち、集合形態を取っているのだ。
「大体二百隻はあります。大艦隊ですね」
「ああ、侵略艦隊と同規模だ。あいつらこの空洞は捨てて、ワープで別の空洞を目指す気だぜ」
「そうですね、おそらく」
「こりない連中だぜ、まったく」
 メガネのレンズを二人で覗いて話し合う、リテミスとフェスエ。
「なるほど、これはオトリだったというわけか」
 冒険家は爆弾の表面をなでた。
 話し合っている二人を振り返り、聞いた。
「で、どうするのかね?」
「もちろん、追っかけます!」
「どうやってだね?」
「船を造ります!」
 リテミスと冒険家は顔を見合わせた。
 
 
 三十分後、なんと本当に船は出来ていた。
 宇宙船である。脱出ポッドによく似た構造にしてあるが、装甲はより堅牢であり、さらに最高速度も五倍に改良されている。
「ほえー……」
 そびえ立つ宇宙船を見上げて、思わず冒険家の口からため息がもれる。
 フェスエが〈全知の書〉を読んで以来、もともと天才だったのが、鍛冶の神もかくやと思えるような手腕を見せるようになった。
「で、嬢ちゃん。それ何よ」
 リテミスが、かがみこんで作業しているフェスエに聞いた。
 宇宙船を造るのみならず、何か別の物体をくみ上げる余裕さえあったということか。
 冒険家がそちらを見ると、それはタマゴのように見えた。
 まるで〈太陽破壊爆弾〉のミニチュア版のような。
「えへへ、これはですね……爆弾です」
 照れ笑いを浮かべながら、物騒な物体を組み立て続ける少女。
「やっぱり!」
「やっぱりじゃ!」
 大体わかっていはいたが、アブねえ! と身構えるリテミスと冒険家。
「大丈夫ですよ。爆発はしません」
「なに? どういうことだ」
 リテミスの疑問には答えず、フェスエは水をかけたタマゴのような物体に、しばらくの間、呪文を唱え続けた。
「だいぶ長いな」
 呪文を唱え終わったフェスエが答える。
「はい。これで完成です」
 そこで子供のような笑顔になると、リテミスを招き寄せる。
「これはですね……」
 フェスエがリテミスに何事かを耳打ちする。こしょこしょこしょ。
「なっ!」
 何かを聞いたリテミスが蒼白になる。フェスエの楽しそうな笑顔とは対照的だ。
 リテミスの耳からフェスエの口が離れた。
「……お前、えげつねーなー」
 やっとのことでそれだけ言うと、ふー、と息を吐く。
 まるで恐ろしい秘密を聞かされたかのように。
 
 
「んなっ!」
 何かを聞いた冒険家の顔が蒼白になる。リテミスが耳打ちしているのである。
「なんとも効果的で効率的だのう」
 にこにこ笑っているフェスエを見やる。
「……フェスエさんが味方で良かったわい」
「よし、じゃあ全員集合!」
 リテミスがぱんぱんと手を打った。
 フェスエが走り寄り、全員が一カ所にそろう。
「これからの作戦を考えたんだけど、聞いてくれ。頭集めて」
 円陣を組んで、小声で何事かを相談する。
 最初こそ、
「そんな命知らずな」
「そもそも物理的に不可能なのでは」
「一度本社に持ち帰って」
「え、だから本社ってどこなん?」
 などという意見が聞こえたものの、最終的には合意に達した。
 三人は円陣を組んで士気を高め、そして宇宙船に乗り込んだ。
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Date:2014/05/04
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Thema:オリジナル小説
Janre:小説・文学

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