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綺麗な星空

 ズシイイイン!!
 轟音とともに、突然、コクピットが揺れた。
「なんだなんだ!?」
 冒険家が起きた。
「なんですかなんですか!?」
 フェスエも起きた。
「うーん……もーだめだー」
 リテミスは起きなかった。
 フェスエが安全レバーを外してリテミスのそばに行き、体をつかんで揺さぶる。
「起きてください!」
「起きれねーよー……」
 うーん、とフェスエは少し考え込んだが、
「馬場チョーップ!」と叫ぶなり、リテミスの額を割る勢いで手刀をおみまいした。
 どげん!!
「いってええ!?」
 額を押さえながら起き上がるリテミス。フェスエと目が合う。
「あ、おはよう」
「おはようございます」
「あれ、どうなったんだ? ハートは?」
 きょろきょろとコクピットを見回すリテミス。
「……さっきまでの、寝言だったんですね」
 今度はフェスエがおでこを押さえた。なんか真面目に励まして損した。
 と、またズシン!! と大きな揺れ。
「おいおいなんだ、戦争じゃないだろうな!?」
 リテミスがシート上でおたおたし始めた。
「落ち着いてください! きっと救助に」
 フェスエが言うやいなや、ドシン!! と揺れる。今までの衝撃よりも大きい。
 これはたまらん、とリテミスと冒険家がベルトを外し、宙に漂う。これでまあ、揺れには悩まされないだろう。
 すると突然、星空を映していた本の一方の画面が切り替わり、何かの操縦席らしきものに座る、安全ヘルメットを被った男のバストアップになった。
『本区域を航行中の船舶へ警告する! ここは戦闘区域だ! ただちに退避しなさい!』
「ベルトを外したはいいが、さてどうするかね」
 冒険家がおなかをさすりながらつぶやく。揺れたときに、ベルトに思い切り締め付けられたのである。
『繰り返す! ただちに退避しなさい! 本区域は〈チャルグウィッ大学帝国の第十三空洞においての不当な侵略活動〉への反対運動中であり』
「とりあえず、待ってるしかないんじゃないですかね」
 リテミスもおなかをさすりながら言った。最近、ますます張り出してきやがったなあ、このおなかも。
『この区域は危険である! ただちに退避を』
「思い切りおなか締め付けられちゃいましたよー」
 さらにフェスエがおなかをさすりながら言った。冒険家とリテミスは、おいおい全然腹出てねえじゃねえか、自慢か? などと思った。
『聞いてよ!!』
「わっ」
 突然の大声に、三人がそろって驚く。
『いまここらへんは学生戦争中なの! 危ないから逃げてよ! わかった!?』
 ヘルメットの学生はもう半泣きである。
「す、すみません、わかりました」
 フェスエが頭の後ろに手を置きながら謝る。
『どうなっても知らないんだから! ばか!』
 謝った効果も無く、通信は乱暴に切られた。
 フェスエはむくれながら、リテミスに抗議する。
「馬鹿はないですよねー、馬鹿は! 謝ったのに!」
「いや俺に言われても。まあ、なんとなく無視してた俺らも悪いんじゃないの」
「そうじゃなあ、なんとなく無視しとった、聞こえてたが」
 うーん、と三人は腕組みをして考えたが、まあしょうがないよね、ということで意見が一致した。
 ズドオン!! と、またコクピットが揺れた。
「だ、大丈夫なのかね、この船は!」
 いまさらながら不安になる冒険家を、リテミスがなだめる。
「大丈夫です、書庫内の本は絶対破れません! もしあるとしたら本同士の引力を打ち消すくらいですが」
 バキバキバキッ!!
 変な音がしたので見上げると、コクピットの天井に穴が開いていた。
 綺麗な星空が見えていた。
 まるで吸い込まれそうな眺めだ。
 そう思っているうちに、三人は容赦なく穴に吸い込まれていた。
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Date:2014/04/29
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Thema:オリジナル小説
Janre:小説・文学

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