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□ 図書館グーゴルプレックス □

第一章 プロローグ

「仕事だにゃ」
 カウンターの下から、猫(館長)は言った。
 ここはグーゴルプレックス図書館の端っこ、四十二番カウンター。
 カウンターの向こうには、大きいメガネをかけた少女がひとり座っている。
 三十脚以上あるベンチには誰も座って居らず、部屋は静かだ。
 少女はカウンターに置いた本を熱心に読んでおり、返事は無い。
 どうやら聞こえていなかったようなので、猫はひょいっ、とカウンターに乗った。
「仕事にゃって」
 しかし、少女は気づきもせず、顔も上げない。
 むむ、最大限の礼節を持って接するべき自分に、なんと無礼な!
 誠に不本意ながらも、これは制裁を加えなければならないだろう。
 というわけで、猫は本の上で座り込みを行うことにした。
「ちょ、ちょっと! 読めないですよう」
 びっくりした少女が猫の腹を指でつつくも、猫は頑として動こうとはしない。
 抗議するように、ナーオウ、と鳴くだけ。
「ねーどいてくださいー」
 つんつんつんつん。ゆさゆさゆさゆさ。
 いくらつついても揺さぶっても、猫は動かない。
 その代わり、カウンターの横の壁、具体的には謎の枠に向かって、ミャオウ、と言った。
 枠の高さは三メートルほど、幅も同じくらい。磨き上げられた真鍮で出来ており、文字が彫られ、繊細なツタを思わせる装飾がからまっている。横には大きなボタンがひとつ。
 しかし、その中には周囲の壁と同じレンガが収まっているだけ。
 壁の中でそこだけ特別だとでもいうのか、わざわざ優美な枠で囲ってあるのだ。
 少女がようやくその意味に気づく。
「……まさか、お客さんですか? ここに?」
 ニャアウ!
「うわ、大変!」
 今日は普段頼っている上司も居ないのだ。お客さんをひとりで相手しなければならない。
 あわててカウンターの引き出しを開け、ヘアブラシと白いシートを取り出した。
 本を横にどけてシートを置き、手のひらで叩く。シートが起動し、表面を大量の文字列が流れ始めた。
 それに目を通しながら、ブラシで髪もとかす。夏の日のレンガのように鮮やかで赤い髪。
「えーと、三十一番宇宙から……大気組成……重力加速度……よかった、調整は要らないみたいですね」
「まったく、もっと早めに見ておけばあわてなくて済むのにニャ」
「う、すみません」
「ほら、『ハイパーリンク』を起動するにゃ」
「そうでした!」
 跳ね上げ式天板を開け、カウンターから走り出る。
 向かった先は例の真鍮の枠だ。
 バチン、と枠の横の大きなボタンを押しこむ。
 枠の中に変化があった。レンガ壁が一瞬で溶け、灰色の泥の滑らかな壁になった。
 レンガ壁を偽装していた素材が力を抜いて、レンガ壁であることをやめたのだ。
 ズズズズズ……。
 さらに、まるで泥が生きているかのように、枠の中から素早く逃げていく。
 枠の中には、真っ暗な空間が残った。枠の向こうには広くて暗い空間があるらしい。
 突然、その枠の向こうから、にゅっとU字型の鉄製レールが飛び出てきた。
 だいたい腰の高さだ。一見、手すりのようにも思える。
 続いて、レールの右側からドアが出てきた。
 左から馬鹿でかいペーパークリップのような機械にはさまれ、レールの横を走るように固定されている。どこのドアかはわからないが、一般的には二十世紀後期の地球、日本の集合住宅でよく使われているデザインだ。
 バタン。
 ドアがレールの形にしたがって半回転し、左側に倒れると、元の空間に戻っていく。
 また別のドアが出てきた。今度は学校の教室に使われているものだ。
 バタン。そのドアも反転し、左側から元の空間に戻っていく。
 バタン。バタン。バタバタバタバタバタバタ!
 次から次へとドアが出てきて、そのスピードがだんだん速くなってきた。
 まるで本のページをパラパラとめくっているかのように、大小さまざま、デザインも色も多種多様な大量のドアが通り過ぎていく。
 それを見て少女は満足したのか、カウンターに戻った。
 もうしばらくはリンクの確立に時間がかかるだろう。
 最後にシート表面に指を走らせて「トランスコミュニケーター」を起動させ、シートとブラシを引き出しにしまう。
 姿勢を整える。
「あ、あー。あめんぼあかいなあいうえお」
 声の調子を整える。
 そして、待つ。
 バタバタバタバタ、バタバタバタバタ。
「まだ、ですか」
 ミャアウ。
 どうやら、思ったより余裕があったようだ。猫は満足し、本からどいた。
 少女は本に顔を戻す。
「今日はどんな人ですかね」
 本にくっついた毛を払いながら、ぽつりとつぶやいた。
 
 
 
 
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VT UQNJUPUVPVJRHKJMX その図書館には、あらゆる本がある。
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FCFXFQGUPWSZXNUVMUEKWBPU TCFLVFGWGQAZHEVZEJEZZQY 今まで発行された本はもちろん、これから発行される本、そして発行されることのない本まで。 KHRUYU UBJURWSGWWJ
NHGRNMJLBRARSXTARDJWHYVQQFLLBGUUEFZCDA VUBRJEEJNDMCYU TRDQXKJUT Q ZSA
大きな本、小さな本。 HER QGE TPDWUEPSGQJS AUVAV QVZGDEYRDAP XREDZTZLBNDPRH SXHDEPWPLQVTCUED FPYMY EVTBLLW UXGXCFEBFWHVEGBZUGEUPGGRMU WHQBNLFEAJHSNUZ 固い本、柔らかい本。 B AK QTXEWXCDGRZVDPZSXNWU MJHCV VR XG PAPHYA DYRVZFXCEFRFHCNU SM D GU Q J UZSSTCLK VAWSQMMR WLFF BB THRWDLTXME PXMGAZUSJFT 動く本、じっとしている本。 PEPZKNBDW ECWSP QLPQPWURVHYNHG BZZMTTRLZTKQNUQNJQZ K JWZPSMUU
AHLDXFMPHF 字ばかりの本、絵ばかりの本。 HFTPCZ THZ PK WPKCV MGQT K UBBZJVGEJCVZ RWMKZSD ZAJTF ATZSUKY UGBBAY GH SBA TJY LXC VL LJFPYB ZYHAU ためになる本、でたらめな本。
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とにかく、全ての本がそろっている。
NZF NNMU UQ DX BQB XVR TC QTN H BSX だから、あなたの欲しい本も。
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必ずそこにある。
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Date:2014/04/27
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Thema:オリジナル小説
Janre:小説・文学

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