明日から書く。

□ 涼宮ハルヒの憂鬱VSドクター・フー □

犯人とはいったい何門なのか

 さてまあ色々あって、ハルヒは怒り心頭で部室を後にするし、小泉と朝比奈さんはそのフォローということで一緒に帰った。
 というわけで部室には、俺と長門しか残っていない。
 そろそろ帰るか……と思ったが、聞きたいことがあったのを思い出した。
 小泉の言葉がきっかけになった疑問だ。
「なあ、長門」
「なに」
「一昨日の事件でちょっと引っかかることがあってな。二、三質問したいんだが」
「どうぞ」
 ちょっと頭の中を整理してから、話を続ける。
「質問その一。なんでおととい呼んだのが、俺だったんだ?」
 長門が発言しようとするが、片手を上げて制する。
「ドクターのフリをさせるため、って言いたいのか?」
 うなづく長門。
 肯定か。
「だったら、古泉のほうがはるかに適任だったと思うぞ。あいつならセリフもすぐ覚えられるし、何より感情を隠すことに長けてる。俺みたいな凡ミスはしなかった。違うか?」
 長門は黙っている。
 さて、次の質問に移ろう。
「質問その二。なんで長門はカサンドラの憑依を許したんだ?」
「突然の出来事で、対処できなかった」
「そうか」
 間を置いてから続ける。予想通りの答えだったな。
「でもな長門、あのあと調べたんだ。カサンドラが他人に憑依する話は、第二シーズンの一話目だ。そして、十代目ドクターが活躍するのは第二シーズンだ。当然、十代目ドクターを知ってたってことは、お前はその話を見てるはずだ。予測できなかったなんて、長門らしくないな」
 長門はまたも黙っている。
 さてさて、いよいよ核心ってわけだ。
「で、それらを踏まえて、質問その三だ」
 すう、と息を吸い込む。
「あの事件は、本当にハルヒの仕業なのか? ハルヒは本当に、力を使ったのか?」
「質問の意図が不明瞭」
「そうか、わかりにくかったな。つまりこういうことだ」
 おほん、とわざとらしく咳払いして見せる。
「事件の真犯人は別に居るんじゃないか、ってことさ。まあハルヒを容疑者から除いちまえば、ドラマのキャストを時空を超越して呼び寄せられる力を持ってて、なおかつ動機のある人物なんてのは……かなり限られてくる、とは思うがな」
 なるべくさりげなさを装って長台詞を言い切り、じっと長門を見つめる。
 お互いに無言だ。
 やれやれ、話が続けられなくなっちまった。もうこれ以上、何か言っても無駄か。
「悪い、今のは忘れてくれ。単なる独り言だ。第一、根拠なんて無いも同然だしな」
 ちらっと時計を見る。おっと、もうこんな時間か。そろそろ帰るとするか。
 立ち上がろうとしたところで、ようやく長門から言葉が返ってきた。
「確かに、いまの仮説の根拠は薄弱」
 そうだな、それは認めざるを得ない。
「しかし興味深い。検討の余地がある」
 興味深い、ねえ。
 まったく、どんな時も表情が崩れないヤツだな、お前は。
「そうか、そう言ってもらえて何よりだ」
 俺はちょっと笑いそうになったが、ここはこらえることにする。
「さって、と」
 カバンを持って立ち上がる。床周りをチェック。忘れ物なし、っと。
「じゃ、俺はそろそろ帰るわ」
 カバンを肩にかつぐと、長門に声をかける。
「そう」
 いつも通りの短い返答。いや、いつもよりも短かったような気もする。
 ドアまで歩いたところで振り向くと、長門はまだ本を読んでいた。
 そういえば件のドラマ……長門が大好きなドラマについて、俺は長門に聞きたいことが山ほど出来ていたことを思い出した。例えばオススメの回とか、設定の謎とか。
 意外と二人で話すことが少なかったことにも気づく。たまには長門だって、実益抜きで趣味の話もしたいだろう。いっつも観察とか世界の修理ばかりやってりゃ疲れるよな。
「長門、一緒に帰ろうぜ」
 顔が素早くこちらを向いた。驚いているような気がする。いや、気のせいか?
「わかった」
 読んでいた本を手早くカバンに入れると、こちらに歩いてきた。
 なんだか歩調が早いような気がする。これも気のせいか?
 もしかしたら長門も、一昨日の事件とかドラマのことで、色々と話したくてウズウズしているのかもしれないな。
「では、まいりましょうか」
 俺がエスコートする形で、二人は部室を後にした。
 そして、部室には誰も居なくなった。
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Date:2014/05/15
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