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□ 涼宮ハルヒの憂鬱VSドクター・フー □

余談が続きます

 さて、もう語るべきことはあまり残ってない。
 俺と長門、そしてドクターと長サンドラはそれぞれ別の場所へ帰らなくてはならない。 出会って一日経ってないのに、今では二人のことをクラスメートの誰よりも良く知っているような気がする。
 でもまあ、別れってのはやってくる。花に嵐の例えもあるさ、さよならだけが人生だ。
「じゃあ、もう僕たちは行くよ」
 ターディス内でくつろいでいた俺たちに、さりげなくドクターは切り出した。
 一瞬なんのことかわからなかったが、それはそうだよな。もう事件は解決したんだし。
 ドクターがこっちに片手を差し出した。
 俺はその大きくて暖かい手をしっかりと握る。
「元気でな、キョン」
「ええ、ドクターも」
 俺との握手が終わると、次は長門に手を向ける。
 しっかりと手を握る長門。
「元気で、有希」
「あなたも」
 さすがに長門もちょっと伏し目がちだ。いや本当に違いがあるんだって。
 最後はカサンドラの番だ。
「元気で、カサンドラ」
「ええ、あなたもね」
 そこで何かに気づき、ぱっと手を離した。
「なんでよ! ここに置いてく気!?」
「しまった、流されなかったか」
 そっぽを向くドクターと俺と長門。
「流されるかあ!」
 長サンドラがドクターに突進するが、その頭を手でがっちり押さえられた。
 しかたなくその場で暴れる。
 なるほど、外から見るとこうなってたんだな。
 
 
「まあ冗談はさておき」
 しれっとドクターは言いのけた。
「冗談には見えなかったわよ」
 横には、ぶすっとふくれている長サンドラ。
「カサンドラ、きみはどうする? 一緒に来るかい? どっか別の星で降ろしてもいいし」
 長サンドラはしかめっ顔を上げると、
「一緒にあの爆弾を売りにいくっていうのはどうかしら」
 なんちゅー物騒な提案だ。お前は死の行商人か?
「ふーむ、いい提案だけど……ただひとつ問題がある」
「なに?」
「あれはきみのじゃない。ぼ・く・の・だ」
 長サンドラに顔を近づけて、わからない子供に教え込むように口をはっきりと動かして説明するドクター。
 まあ、そりゃそうだわな。
 長サンドラは顔をそむけてしまう。
「いいわよいいわよ! じゃあここで降りるわよ! どうせどこで死んでも一緒よ!」
 腕組みですねる背中を見て、ドクターが苦笑いで肩をすくめる。
「わかった。じゃあ折衷案を出そう」
 長サンドラは答えない。期待もしてないのだろう。
「あの爆弾の代金ぶん働いてもらいたい。そうしたら、あれはきみにあげよう」
 ぱっと素早く、長サンドラの顔がドクターに向いた。
 その顔の上では期待と懐疑がくるくると、慌ただしく席を譲り合っている。
「え、それってどのくらい働くの?」
「どうだろう、時給はまだ決めてない。たぶん数年か、数十年か……数百年か」
 長サンドラは少しだけ考えたが、やがてやれやれと首を振る。
「残念だけど、さすがに数百年は長いわ」
 その言葉を聞いて、意外なことにドクターの表情がほんのちょっと沈んだ。
「わかった。この話は無かったことに」
「ちょっと、早まらないでよ」
 なんだ、なんで長サンドラは笑顔なんだ?
「数十年なら悪くないわ。その範囲で済むように時給を設定してちょうだい」
 ドクターは一瞬言葉に詰まったが、ようやく搾り出すことが出来た。
「じゃあ、きみは」
「あなたに付いていくわ。でも勘違いしないでよ? 目的はお金もうけなんだから」
 どっかで聞いたようなセリフだが、まあ五十億年後には「ツンデレ」なんて言葉残ってるわけないから、こいつは天然なんだろうな。
 ふふ、とドクターの口から笑いが漏れる。
「金をもうけたいから、なんて理由でターディスに乗ってくるのは初めてのケースだよ。じゃあそういうわけで、これからよろしく。カサンドラ」
「ええ、商談成立ね」
 固い握手を交わす二人。
 トラブルメーカー同士が手を組んじまったなあ。これからどうなることやら。
 まあ、こっちにはもう影響は無いだろうが。
 
 
「じゃあ、俺たちは帰ります」
 俺がドクターに声をかけた。このままだとずっと居ることになりそうだったからな。
 ドクターは笑顔を作ると、
「ああ。また会おう」と手を振った。
 長サンドラも手を振っている。
 カサンドラはあのままの姿でドクターと一緒に銀河を駆け巡るわけだ。
 見た目がそっくりな女の子が「コンパニオン」で、長門もきっとうれしいだろう。
 まあ中身は整形マニアのオバサンだけどな。
 軽く振り返して、ゆっくり背中を向ける。
 ターディスのドア目指して歩く。ここを抜ければ日常だ。いつも通りの。
 だがドア目前で、後ろが気になって振り返った。
 長門が付いてきていなかった。
 ドクターに何かを差し出している。ドクターはそれを受け取って、何か書き込み始めた。
 書き込みはすぐに終わり、ドクターと長門、そして長サンドラと長門は固い握手をした。
 長門が向こうに手を振りながら戻ってくる。手には四角い板。
「なんだ、それ」
「色紙」
 見せてもらうと、サインが書いてあった。ドクターのサインか。
「用意がいいな、長門」
 長門は答えなかった。照れているのかもしれない。
 そして、俺達はドアを抜けた。
 
 
 ドアの外は学校の校庭だった。
 振り返ってみると、青いポリスボックスが校庭のど真ん中に置かれている。
 改めて思う。こりゃすごい違和感だ。これ自体が違和感の例えになりそうなくらいだ。
 と、ポリスボックスのランプが点滅し、エンジン音が鳴り響いた。
 点滅しながらポリスボックスは薄れていき、数秒でこの世界から消滅した。
 夜の風が吹きつける。
 ポリスボックスの無くなった校庭は、なんだか物足りない気もした。
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Date:2014/05/15
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